橋のプロフェッショナル!頼れる現場代理人

原 久

はら ひさし

建設部 工事1グループ


仕事への誘い(いざない)


私は現在、現場代理人として福岡208号筑後川橋上部工(P4-P8)工事を担当しています。本工事は有明海沿岸道路のうち、筑後川上に架かる橋を製作・架設するものですが、非常に大規模な工事のため、3つの会社で共同企業体(JV)を組成し取り組んでいます。現場代理人という仕事は、工事が円滑に進むよう全体の指揮を執る仕事で、工程管理、安全管理、お客先への対応など、工事全てのことに対する総責任者です。特に今回の工事の場合、JV3社の代理人として、3つの会社を背負って仕事をしているということになります。勤続35年の今でこそ、こうした責任ある仕事を任されていますが、私も入社した当初は一工事担当からスタートしました。そして様々な経験を積み、現場代理人を任されるようになりました。現場代理人の仕事は責任も重く、大変といえば大変な仕事で苦しくもありますが、過ぎてしまえばそれも楽しい思い出となり、とてもやりがいの大きい仕事だと思っています。



原さんに聞いてみました


これまで多くの工事に携わってきた原さん、印象深かった工事はありますか。

入社してすぐに本州四国連絡橋のうち、櫃石島橋を設計から架設現場まで担当しました。この仕事のうち、フローティングクレーン2基を用いて大ブロックを架設する際に使用する吊り金具の設計を任されました。その当時の世界最長最大のブロック(約6,100t)を吊る重要な金具なのに、新入社員の自分に任せるなんて!と驚きはしましたが、実際に架設した際に自分が設計した金具が、壊れることなくきちんとブロックを吊り下げていたのを見てすごく安心したのは、今となっては思い出深いですね。またこの工事では、旧江波工場で浜出し(工場からフローティングクレーンで吊り上げ、現地まで海上輸送を行うこと)を行ったのですが、当日は濃霧による視界不良など色々な悪条件が重なってしまいました。そんな中で私は監視役として作業を見守っていたのですが、ブロックが音も無くスッとクレーンで吊り上げられたのを見た時はとても感動しました。


橋の仕事を選んだ理由は?また橋の仕事をしていて良かったなと思うことはなんですか。

学生時代は土木を専攻していました。ちょうど本州四国連絡橋という大きな工事の最盛期だったので、自分もそんな大きなプロジェクトに関わりたいと思って、大学の先生の勧めで地元企業である、旧三菱重工工事に入社しました。この仕事をしていて良かったなと思うことは、不便な地域に橋を架けた際に、地元の方々から「橋が架かって便利になったよ」と言って貰えることがとても嬉しく思います。


橋の魅力はなんですか。

何も無いところから一つずつ組み立てていき、対岸まで繋がって車が通れるようになる、今まで出来なかったことが出来るようになる、というのは橋の魅力ですね。また鋼橋は非常に正直です。温度が上がれば伸びるし、架け方にも気を遣わなくてはいけません。正直な反応があり、それが面白い。そして橋は完成すると地図に載るし、構造物として世の中に残ります。私もこの年齢(定年)になったので、この仕事が終わったら、時間を作り自分の関わった橋を妻と見て周ろうと思っています。


MMBの魅力は、何ですか。

所帯が小さい、といえば語弊がありますが、会社としての一体感があります。営業・設計・製作・建設という部門間の垣根が余り無く、何かあればすぐに相談できる環境です。またJVの親会社になって各社をまとめることも多く、自社分担の仕事以外にも工事全体の調整や管理も必要となってきます。そうした経験を積むことが出来るのも、MMBの特長であり魅力だと思います。


最後に、就職活動している学生さんに一言お願いします。

学生時代の勉強は大事ですが、入社すれば任された仕事ごとに、イチから新しく覚えないといけないことが沢山あります。実は、勉強は入社してからでも出来るんですが、基礎はしっかりと固めておいた方が良いと感じています。大学の間は勉強も大切と思うが人付き合いも大切で、いい人間関係を築いて欲しいです。また、「辛かったけど最後までやりきれた」というような経験、根性が備わっていれば社会に出てからの苦労も乗り越えることができます。是非そういった経験をしてみて下さい。