生産設計のエキスパートであり、野球部の豪腕エース!

天羽 一貴

あもう かずき

技術部 設計グループ 設計1チーム


仕事への誘い(いざない)


自分の仕事は、生産設計で、一口に言えば、「モノづくり」のための設計をすることです。橋の設計は、最適な橋梁形式を選定する「基本設計」と構造ディーテールを決める「詳細設計」の2つに大きく分かれ、これらは、通常、コンサルタント会社が担います。しかし、コンサルタントが作成した図面だけでは、「モノづくり」はできません。図面上(机上)でできると思っても、実際に工場で形にしていく段階で、作れないことが分かってきます。溶接をすると鉄が縮むとか、橋を構成する部材が干渉するとか、橋をかける時の条件が設計時の条件と異なるとか、皆さんが目にする「橋」という構造物が現地に架けられるためには、クリアすべき課題が多く、実は、各橋梁会社のノウハウが駆使されています。自社のノウハウを活かし、課題を一つ一つ克服していくことが、生産設計の仕事であり、まさに、「モノづくり」の醍醐味を日々味わっています。


天羽さんに聞いてみました


この会社に入ろうと思ったのは、なぜですか。

実は、橋というよりは、「でっかくて存在感のあるもの」を作りたかったというのが本音です。船舶工学という学生時代の専攻も影響したかもしれませんが、とにかく、鉄で「でかいもの」を作りたいという気持ちが強かったと思います。


今まで、どんな失敗をしてきましたか。

大小、様々な失敗をしてきました。一口では言えませんが、ある部材の形を間違えて、そっくり作り直したことがあります。現場で気づいたのですが、本当に冷や汗が出ました。橋というのは、自分の重みで形状が下がるという性質があります。モノづくりでは、製作キャンバーといって、下がる分を見越して、「反り」をつけて、上げて作る必要がありますが、その値を間違えてしまいました。実は、五重の塔でも、屋根の部分には、経年変化(100年~150年ぐらい)を考慮して、反りが付けられており、軒先が垂れ下がって、やがては瓦が崩れ落ちないようにしています。これと少し似ているかもしれません。


仕事をする上で、大事にしているものはありますか。

自分は、設計の最終ランナーという気持ちで、現場に図面を出しています。自分がミスすれば、現場は混乱し、多額の赤字を出すこともあります。ミスしないことが当たり前の世界で、責任感をひしひしと感じながら、常に、「自分が最後の砦」という気持ちで頑張っています。自分が今でも続けている野球に例えれば、ピッチャーに似ているかもしれません。抑えて当たりの世界で、ノーミスで仕事をやり遂げた時の気持ちは、なんとも言えません。生産設計という仕事は、そういったことが感じられる職種なのかもしれません。


橋とMMBの魅力は、何ですか。

橋の魅力は、向こう岸まで、簡単に歩いて行けること。一見単純ですが、奥が深く、すごいことだと思います。簡単には足を踏み入れることができない別世界に、歩いて行けるようになり、そこで人が行き来する。文化が起こるきっかけを、橋づくりが担っています。

MMBの魅力は数え切れませんが、一言で言うと、この会社で働く人たちが、ずば抜けて優秀なことに尽きます。技術だけでなく、人間的にも完成された人が多い。こういう人たちと働けることに喜びを覚えるととともに、「負けるもんか」という気持ちにもなります。


最後に、就職活動している学生さんに一言お願いします。

やっぱり、就職したら体力勝負なところがあります。日々鍛錬。今でも、たまに徹夜をしますが、そこでへこたれない体力は必要だと思います。