私は三菱重工に入社し、広島造船所に配属されて、学生時代にはほとんど関心のなかった橋梁の仕事に携わりました。配属後は本州四国連絡橋の大規模プロジェクトの業務を担当したのですが、そこで何もないところから巨大な建造物が立ち上がっていく仕事の面白さを覚えました。それからの会社人生のほとんどは橋梁の営業業務に携わってきました。私が関わった橋は世界一の吊り橋、明石海峡大橋をはじめとする長大橋から、京都の山奥の小さな橋まで幅広く、それぞれに思い出深いものがあります。長く営業を経験してきた私が、橋梁の建設で高い技術力を誇る「エム･エムブリッジ」の社長を拝命することになりました。社員のみなさんの熱い想いを胸に、社員とともにエム・エム ブリッジの新たな未来を築きたいと思います。

高い技術力と選りすぐりの人材、そして人に優しい企業文化が我が社の魅力であり誇りです。我が社は他社に真似の出来ない高い技術力が必要な長大橋、高度技術工事や大規模構造物の施工を得意としています。人材は業界トップレベルの高さと厚みがあると自負しています。強い個性と意思を持つ粒ぞろいの人材が豊富で、お客様から高い信頼を勝ち得ています。また人に優しい企業文化は、勤勉で誠実で感謝の気持ちを忘れない温かい社風を築いています。

我が社の成り立ちは、明治元年にわが国初の鋼鉄製橋梁「くろがね橋」を建設した長崎製鉄所まで遡ります。その後は三菱重工グループの橋梁部門として、レインボーブリッジ、横浜ベイブリッジ、本州四国連絡橋をはじめとする地図に残る橋梁プロジェクトのほとんどすべてに、主幹事会社として携わってきました。橋梁も港湾構造物も、新設も保全も同様ですが、地図に残る仕事の醍醐味はなんと言っても、自分がやり遂げた仕事の証がモニュメントとして後世まで残り、語り継がれることです。友人からよく「お前の仕事は目に見える仕事でいいよな」と羨ましがられたものです。社会インフラの担い手として国づくりに貢献する自負、土地と土地、人と人をつなぎ文化の橋渡しをすることの達成感、そして地域の人々に感謝される満足感は、何物にも代えがたいものがあります。

第一に、どこの企業も同じだと思いますが、社員に求めるものは「会社に対する貢献」です。会社という名前の社員はいないので、「会社に対する貢献」は社員一人一人の主体性に依存しています。これを我が社では「一人称で仕事をする」と表現しています。我が社は社員一人一人に「わたしが」という一人称で仕事を成し遂げる主体性を求めています。第二に、我が社は社会インフラの建設、保全を担う企業です。社会インフラの建設はひとつのプロジェクトで、非常にたくさんの人々が関与します。お客様とのコミュニケーションを確保することはもちろんですが、協力会社や資材会社との連携や、なにより社員同士のチームワークが必要不可欠です。スタンドアローンでは我々の仕事はなしえません。フォア・ザ・チーム、協調性を理解する人材を必要としています。

事務系も技術系も同じですが、企業研究をある程度しっかりやっていれば、想定と現実の差異は多少あるけれども、学生時代の学問は会社に入っても結構役に立つものです。学生時代には専門技術や分析能力、プレゼン能力に目が行きがちですが、これら以外に会社に入って身につけられるいくつかの基本的なスキルがあります。第一はセルフマネジメント力です。短期間に多くの仕事をこなしていく中で、ルーズだった人もそうでない人も大体は自然と自己管理が出来るようになります。仕事をスケジュールに乗せて期限までにこなすことや、自分で課題を抽出し解決策を立案し実施するということが自然と出来るようになっていきます。第二はチームワーク力です。我が社は大きなプロジェクトにチームで取り組むことがほとんどです。入社して2～3年経つと、チームの中で自分が果たすべき役割を理解し、チームにとって最適な活動をするようになります。チームに必要不可欠な人材として、プロジェクト全体を効率的に進めることが出来るようになっていきます。第三はヴィジョンを描く能力です。これには個人差があるけれども、マネージャークラスになって数多くのスキルと経験を身につける中で自信が深まり、お客様やプロジェクトパートナーの信頼が得られるようになると、自分の想いを具体的なヴィジョンとして描くことが出来てくるようになります。

恥ずかしながら仕事を忘れて惰眠を貪り、お酒とパチンコ三昧の自堕落な休日を切に願っているのですが、奥様が怖いので、休日は早起きして奥様の買い物に付き合い、散歩や読書で大人しく過ごしています。

我が社は橋梁、港湾構造物などの社会資本建設、保全のプロ集団です。経営理念は「和」と「誠」と「情熱」をもって「お客様から信頼」され「国民の安全と安心を担い社会に貢献」することです。誠実をモットーとしコンプライアンス遵守を第一に事業を展開しています。 期するところは社会への貢献。フェアープレーに徹し、グローバルな視野に立って事業展開を図ります。この思いを理解し共感し共に歩める人材を求めています。